ストレッチポールの効果・使い方
ストレッチポールによる効果は、次の2つに大別できます。
- ストレッチ効果
- マッサージ・ツボ押し効果
ストレッチ効果については、ポールの上に寝て行うエクササイズなどで筋肉や関節を効果的にほぐし、体の歪みを矯正するものです。特に肩甲骨や骨盤・股関節に着目した器具なので、姿勢の改善はもちろん、肩コリや腰痛の低減にも、高い効果が期待できてオススメです。
マッサージ効果については、ポールの上にほぐしたい部位を乗せて体重をかけ、転がすことで強度の高いマッサージ・ツボ押し効果が得られるものです。イメージとしては、全身に対して「青竹踏み」を行える器具、とも言えます。ただ押し付けるだけではなく、ローラー状にほぐせるという点で、効果と汎用性が高い器具です。
特にストレッチポールをオススメしたい方
ストレッチとマッサージの相乗効果で、特にストレッチポールをオススメしたいのは猫背の症状の方です。猫背の方は肩甲骨周りから背中にかけての筋肉が緊張して、凝り固まっています。これを放置すると、さらに首はストレートネックとなり、自律神経にも影響が出て様々な症状に苦しむことになります。
いくら正しいと言われる姿勢の知識を実践しても、この筋肉を緩めてあげない限り、元の丸まった背中の方が楽だという感覚から逃れられないのです。猫背をはじめとした体の歪みを根本的に改善したいという方には、ストレッチポールを使ったエクササイズが最初の一歩になると確信します。
その他、姿勢の歪みによる腰痛や骨盤の矯正などもストレッチポールの得意分野でオススメです。
そのうえで、ストレッチポールの特筆すべきは、ストレッチやマッサージを「一人でできる」という点です。自分のペースで、的確な部位に、リラックスできる環境で行えるというのは、重要なポイントといえます。
効果的な使い方や、部位別のマッサージ姿勢など、書籍も出ていますし、ネットで検索すれば動画や写真などを使って、分かりやすく説明してくれている人がたくさんいます。ぜひストレッチポールで、現状を打開してください。
ストレッチ用ポールの選び方
本家である株式会社LPNのストレッチポールが話題となった結果、各社から似たような形状のエクササイズ用ポールが、様々な名称で多数発売されています。ここでは、それらの選び方を解説します。
1. 本体の材質
耐久性や使用感は素材による差異が大きい為、ここが一番のチェックポイントになります。各メーカーで使われている素材は、大別すると「発泡オレフィン系樹脂」「EVA」「PE」などです。
「発泡オレフィン系樹脂」は、本家のストレッチポールでも使われている素材で、適度な硬さと粘性があり、ジム等で数年ハードに使われてもヘタらないなど、耐久性にも定評があります。難点は素材の加工が難しいようで、価格が高い点です。
「EVA」は、発泡オレフィン系樹脂より多少柔らかく、同等の粘性がある素材。ただ耐久性はそれほど高くなく、メーカーにもよりますが数か月から1年弱でヘタると言われます。こうなるとマッサージ用途にはマイナスですが、乗るだけのストレッチにはある程度の効果を保ちます。(転がすストレッチには、やや厳しいです)
「PE(ポリエチレン)」は、上記2素材に比べて、硬く粘性がありません。荷重で変形しやすく、経年で次第にゆるくなります。価格の安さは魅力ですが、あまりお勧めできない素材です。
2. 長さ
頭部から骨盤までを乗せられる長さが必要となります。170cmを超える位に長身の方は長さが90cmの商品だと、かなり窮屈になります。長身の方は、特に長さにも注目してお選びください。
3. 直径
概ね15cmの商品が多いですが、小柄な方は12〜13cmの商品を選ばれた方が、背中を預けた時、肩甲骨へのハマりがいいです。
4. カバー
カバーの有無は商品により異なります。カバーの効果は以下のような物。
- ポールへの傷つき防止
- 肌にあたる感触改善
- 汗対策・防水効果
- ポールの滑り防止(グリップ力)
ただグリップ力に関しては、それでも十分とは言えないので、転がして利用する場合は、ヨガマットなどがあった方が安心です。
各社のストレッチ用ポールをご紹介
LPN
ストレッチポールは米国のフォームローラーを参考に、素材や硬さ・大きさを日本人に合う形で改良した、株式会社LPNの商品。メディアなどで著名人が紹介するのは、大抵こちらの商品です。
多くのフィットネスクラブや医療現場で使われている実績があり、特に耐久性に関しては他社の同様製品を寄せ付けない完成度と言えます。
私自身、こちらのストレッチポールを電動機具に挟み込んでしまい、ポールの一部を半分ほどに潰してしまった経験があるのですが、翌日には元通りに復元していて驚きました。以来数年、そのストレッチポールは何の問題もなく使えています。
EXシリーズ
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
ストレッチポール EX | 98cm | 15.0cm | 発泡オレフィン系樹脂 | PVC |
同梱物 |
ベーシックセブンDVD、取扱説明書、コンセプトブック、スタートブック、ひめトレチラシ |
MXシリーズ
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
ストレッチポール MX | 98cm | 12.5cm | 発泡オレフィン系樹脂 ウレタンチップ | PVC |
同梱物 |
ベーシックセブンDVD、取扱説明書、コンセプトブック、スタートブック、ひめトレチラシ |
共和ゴム
共和ゴムは以前、株式会社LPNからストレッチポールの受託製造をしていた会社。現在は独自ブランドの「アクシスフォーマー」を立ち上げています。製品は本家のストレッチポールと同じく発泡オレフィン系樹脂を使用したラインナップ。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
アクシスフォーマー ロングタイプ | 98cm | 15cm | 発泡オレフィン系樹脂 | ポリウレタン |
アクシスフォーマー ソフトロング | 98cm | 13cm | 発泡オレフィン系樹脂 ウレタンチップ | ポリウレタン |
トリガーポイント パフォーマンス
グリッドフォームローラーは、生体力学の専門家であるキャシディー・フィリップの研究から、筋膜の癒着を改善し、神経経路の活性化と筋肉の柔軟性を高める目的で開発された製品です。多くのトップアスリートが支持・使用して、近年メディアでも大きく取り上げられています。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
グリッドフォームローラー | 33cm | 14.0cm | EVA(表面) ABS樹脂(中心) | ― |
セルフボディケア・ジャパン
ランブルローラーは米国のSTI Industries社が開発し、セルフボディケア・ジャパンが輸入販売しているコンディショニングツール。ご覧の通り表面に突起が付いた、ストレッチよりもマッサージに力点を置いた製品です。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
ランブルローラー ロング | 77cm | 15.0cm | EVA/ポリオレフィン混合 | ― |
ランブルローラー ショート | 31cm | 13.0cm | EVA/ポリオレフィン混合 | ― |
東急スポーツオアシス
フィットネスクラブを運営する、東急スポーツオアシスが作ったリセットポールです。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
リセットポール | 98cm | 14.5cm | EVA | PVC |
リセットポール スリム | 98cm | 10cm | EVA | PVC |
同梱物 |
エクササイズDVD (リセットポールのみ) 、 取扱説明書 |
アルインコ
フィットネスマシンや介護用品なども取り扱う、アルインコのエクササイズポールです。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
エクササイズポール | 98cm | 15.0cm | EVA・ポリエチレン | PVC |
コーポ
ウォーキングマシンなど、フィットネス製品を扱う「コーポ」ブランドのスレンダーポールです。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
スレンダーポール | 91cm | 15.0cm | EVA | ― |
鉄人倶楽部
カワセのブランド、鉄人倶楽部のピラティスポールです。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
ピラティスポール | 91cm | 15.0cm | ポリエチレン発泡 | ― |
Aussie
ダンベルや縄跳びなどフィットネス製品を展開する、Aussie(オージー)ブランドのストレッチローラーです。
商品名 | 長さ | 直径 | 本体素材 | カバー素材 |
スリムストレッチローラーJ's | 90cm | 12.0cm | ポリエチレン | ― |
スタンダードであるEXシリーズに使われる発泡オレフィン系樹脂は、適度な硬さと粘性があり、高い耐久性を誇ります。
ただし痩せ型や小柄な方にはやや硬く感じられるようで、そういった方向けの多少柔らかく直径の小さなMXシリーズもラインナップされています。平均的な女性の場合、こちらの方が肩甲骨にハマり易くオススメです。